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オメガ脂肪酸を解説
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アラキドン酸とトロンボキサンの関係

細胞膜を構成する膜リン脂質にホスホリパーゼA2という酵素が反応してアラキドン酸が、膜リン脂質から遊離されるとシクロオキシゲナーゼおよびリボキシゲナーゼという酵素が反応して、シクロオキシゲナーゼからはプロスタグランジンやトロンボキサンが、リボキシゲナーゼからはロイコトリエンが生成されます。
こうして膜リン脂質から遊離された事によって、次々と滝のように物質が合成されていく反応を総称してアラキドン酸カスケードといいます。
カスケードとは文字通り滝を意味しています。
この流れは秒速単位で起きていますが、合成された物質は痛覚やかゆみ・腫れ・赤化などの炎症反応を生むだけではなく、血小板の凝縮や血管壁の収縮といった症状の要因ともなっています。

アラキドン酸の研究が進む中で明確になっていったアラキドン酸カスケードの機能から、抑制機能を持つ薬品も生成されていきました。
ちなみにトロンボキサンは血小板の凝縮や血管壁の収縮機能があります。
この機能を抑制して症状を緩和させる働きを持つ塩酸オザグレルやセラトロダスト・ラマトロバンといった医薬品が作られています。
いずれも気管支炎ぜんそくの特効薬として使われるものです。

アラキドン酸が生成されなければ、これらの炎症や気管支ぜんそくといった症状も発症しなかったかもしれません。
アラキドン酸は人が人らしく生きるためには必要悪とも言える物質ですが、真逆の反応をする物質を同時進行で生成させるという、複雑きわまりない機能をもった物質と言うことができます。
これらの機能はすべて脳神経組織の中で起きている事ですが、知れば知るほど脳機能の精密さや精巧さに感動を覚えるという人も多い事でしょう。

アラキドン酸とトロンボキサンとは生みの親とその子といった関係にあるとも言え、合成の際にはいくつもの酵素がお互いに反応しあいながらカスケードを形成しているのです。
ミクロの世界はまさに宇宙のようです。
炎症を引き起こす成分はなくともいいと言いたいところですが、元になるアラキドン酸が生成されるおかげで脳機能が活性化されて記憶力や学習能力も向上していくわけですから、バランスよく必須栄養素を摂取していく事で、脳の中の機能も理想的な働きをしてくれるはずです。

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