ARALab
オメガ脂肪酸を解説
※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

アラキドン酸とPGの関係

アラキドン酸は免疫機能に深く関わる成分であり、脳機能を活性化させて若々しさを維持するのにも有効に働く物資なのですが、一方でアレルギー諸症状や低血圧および糖尿病の悪化などの健康被害をも引き起こす働きも併せ持っています。
マイナス要素を持つ諸症状が起きる過程はカスケードと呼ばれる代謝システムの中で顕著に見る事ができます。
細胞に何らかの刺激が加わるやいなや、アラキドン酸を含有しているリン脂質にホスホリパーゼA2と呼ばれる酵素が反応して、細胞膜を構成するリン脂質内で水分解が生じます。
エステル結合が分解された事によりアラキドン酸が細胞内に遊離されていきます。
これを機にカスケードと呼ばれる代謝システムが起きてきます。

この過程の中でアラキドン酸からPGG2が合成され、PGG2からPGH2が、さらにPGH2からPGI2・PGE2・TXA2という物質が動脈壁・肺・血小板などの組織へ向けて合成されていきます。
PGG2以降の代謝はCOXという物資が反応して起こります。
PG群は生理機能や炎症機能に深く関わっている物質です。
PGE2はアレルギー症状に伴う痛みや腫れを引き起こし、炎症を促進させる働きをします。

一方で炎症を抑える機能も合わせ持つ成分でもあります。
カスケードは真逆の機能を持つ物資の合成にも関わっています。
COX酵素と同時進行で5-リボキシゲナーゼという酵素が反応してcoxの代謝を真っ向から阻害する働きをします。
これらすべての働きは細胞内で起きているものであり、40秒~5分という短い時間内で動いています。
アラキドン酸が長く細胞内に留まる事はなく、速やかに代謝されていきます。
アラキドン酸から合成されるPG群・TAXそしてcoxの代謝機能に対抗するリボキシゲナーゼから合成されたLTは、まとめてエイコサノイドと称されます。

こうした炎症を強力に抑制する医薬品も開発されています。
ステロイド剤というアトピー性皮膚炎治療などで一般的に導入されているものです。
PGは全身のほぼ100%細胞内で生成される物質ですが、赤血球では合成されません。
PGは大変種類が多い物資で、今発見されているものだけで10種類ありますが、それぞれに与えられた場所で合成・代謝されていき、それぞれに異なった性質や機能を持っています。

トップに戻る