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オメガ脂肪酸を解説
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アラキドン酸の加水分解反応とは?

アラキドン酸は乳幼児や高齢者の健康的生活に欠かせない、学習機能や記憶力向上などに深く関わる働きをする一方で、痛みや発熱・おでき・腫れ物などの炎症を引き起こす性質もあることが、これまでの研究によりわかってきています。
細胞レベルでの反応ですから当然見た目にわかるものではありませんし、細胞内での情報伝達にかかる早さは0.44秒といったものすごいスピードによるものです。
実際にはどのような事が起きているかといいますと、アラキドン酸カスケードと呼ばれる特有の代謝システムの中で、生成と分解を繰り替えしながら様々な事象が発生しています。
アラキドン酸そのものは細胞膜を構成しているリン脂質と結合する形で存在していますが、この結合の形はエステル結合と呼ばれています。

エステルというのは細胞を構成している分子レベルで、酸とアルコール物質が結びついた形の呼び名です。
肉食によりリノール酸を体内に取りこんだ時に、水解と呼ばれる現象が発生します。
別名加水分解反応と呼ばれています。
かいつまんで言えば水に反応して分子が分解される現象が起きるのです。

エステル結合していたアラキドン酸とリン脂質に水解反応が発生してアラキドン酸はリン脂質から切り離されます。
この時にホスホリパーゼA2(ホスフォリパーゼA2)という酵素が作用してアラキドン酸のリン脂質からの遊離を助けます。
さらにシクロオキシゲナーゼという酵素が作用して、PGG2という物資が生成された後にPGE2という物資に変わります。

このPGE2は痛みの要因になる物質です。
同時に炎症を促進させるLTという物質も作られ別の代謝システムを構成していきます。
PGE2は真逆の機能も保有している物資で、炎症促進と同時に炎症を押さえる機能も持っている物資です。
アラキドン酸によって引き起こされる炎症はます水解が起きてから生じる症状であるとも言えますから、カスケードシステムの働きに対抗するシステムの存在も必要だという事になります。

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